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・オープニング
朴:本日は「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」へご来場いただき、誠にありがとうございます。ヘラルボニーの朴里奈です。
今お聴きの音声コンテンツは、「HERALBONY Art Prize 2024」の受賞作品の数々を、素敵なゲストともにその見どころをご紹介するオリジナルコンテンツになります。 独創性豊かな作品をご覧になりながら、ぜひお楽しみください。さて、本日ですね。お迎えしているゲストがいらっしゃいます。今目の前にいらっしゃるのですが、私も普段はテレビ越しに見ている方なので、とっても緊張しております。俳優、粘土造形作家の片桐仁さんです。
片桐:よろしくお願いします。片桐です。
朴:よろしくお願いします。今日は、片桐さんとたくさんアートについてお話ができるということで、本当に楽しみにしてました。ありがとうございます。
片桐仁さんは、コントグループラーメンズでその独特の存在感を広く知られ、現在はドラマを中心に舞台、映画、ラジオなどで活躍されています。
また、俳優業の傍ら、粘土造形作家として創作活動をはじめ、古典など様々な勢力的な活動をされている。ということで、片桐さん、私は俳優の片桐さんはすごくよく知ってるんですけれども、粘土造形作家というのはどんな活動なんですか。
片桐:今日持ってきてたんですけど。
朴:そうだったんですね。
片桐;はいはい、これ。今日持ってきたんですけどね。モアイのiPhoneケース、「モアイフォン」というのをね。もう3年ぐらい使っているんですけれども。
朴:え、可愛い。ちょっと持ってみてもいいですか?軽いですね!
片桐:で、今回のこの「HERALBONY Art Prize 2024」で選ばれた作品は。はい。なんかやっぱり湧き上がってくる質感であったりとか、色の並び方であったりとかね。ご本人ももしかしたら全部を想定されて書き始めてないかもしれないですよね。
朴:その可能性ありますね。なので、こう、私たちが今日、特に片桐さんの視点で、はい。そのアートの解釈の幅を一緒に広げていけたらいいなと思います。
片桐:いち、感想になってしまいますけどね。
朴:こう、ちょっと語るのは難しいな、何かを持ち帰らなきゃいけないのかなっていう真面目な気持ちではなく、もう少しライトな感覚で聞いてもらえると。ぜひ皆さんよろしくお願いします。
朴:では、今日紹介させていただく「HERALBONY Art Prize 2024」についてなんですけれども、そもそもですね、ヘラルボニーっていうのはちょっと会社の名前なんですね。株式会社ヘラルボニーは、「異彩を、放て。」をミッションに掲げて、障害のイメージを変えることを目指す会社です。
主に知的障害のあるアーティストの方々とライセンス契約を結ばせていただいて、その方々が描く素晴らしいアートを様々な事業を通じて伝えていく。
で、このたびですね、ヘラルボニーは、障害のある方がひとりの作家として、その才能が評価されて、 さらなる活躍の道を切り拓いていけるようにという思いを込め、今年の1月31日に、「異彩を、放て。」にちなんで、異彩の日ですね。その「異彩の日」に、この国際アートアワード「HERALBONY Art Prize 2024」を新たに創設しました。
片桐:じゃ、第一回という感じですね。
朴:そうなんです。記念すべき第1回に片桐さんにもお越しいただいて本当に光栄です。
片桐:これに懲りず、2回、3回も呼んでもらいたいです。
朴:はい(笑)。ぜひお願いします!で、1月31日から3月15日までの応募期間に集まったアート作品。 その数なんと1973作品ですね。
片桐;すごいですね。1ヶ月半ぐらいの間にですか。
朴:そうですね。約1ヶ月半です。世界28カ国から総勢924名のアーティストの作品が集まりました。その中から厳正なる審査を通じてグランプリ作品が1作品と、あとは企業賞が7作品、 そしてさらに審査員特別賞として4作品が選出されました。
片桐:1,973点、28カ国、924名の作家さん、すごいっすね!1回目でこんな集まったんですか。
朴:ね。びっくりしました。私たちもまだ6年目の会社ですし。そこまで世界から認知を取れているかってなると、ちょっと自信が。まだまだ課題は残ってはいるんですけど。人海戦術で海外の福祉施設に連絡をして、ネットワークをそこで構築しながら。
片桐:世界にも、福祉施設で作品を作ってるアーティストの方がいらっしゃるんですね。
朴:いらっしゃいます。なので、その作家さんが、施設に通われている作家さんもいれば、個人で活動されてる作家さんもいますので、今回ご紹介させていただく作家さんも、またその2つに分かれるかなという。なので、今回の第1回目を大成功させて、また、第2回目は、さらにたくさんの作家さんにご参加いただけるアワードに育てていきたいと思っております。
・グランプリ 浅野 春香《ヒョウカ》
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浅野 春香《ヒョウカ》
朴:では、さっそく。今回の受賞作品。まずグランプリからいきたいと思います。
片桐:グランプリからいくんですね。
朴:はい、いきます。タイトルがですね「ヒョウカ」という作品。
片桐:どういう意味ですか。「ヒョウカ」?
朴:はい、「ヒョウカ」。ですね。この作家さん、すごく「評価」に対する想いが込められていまして。
片桐:はい。評価をされる。「評価」ですか?自分を評価されたいという。
朴:はい。この評価されたいという作家の純粋な感情から制作されたということで。この作品を書かれた作家さんですね。浅野春香さんという日本の方なんですけれども。以前まで、「評価されるその欲求」を恥ずかしいことだ、と思っていたと。
片桐:わかります、はい。
朴;ただそれも、あなたの素直な気持ちの表れではないか?っていうことを、ある人に言われたことをきっかけに、ありのままの気持ちを表現していくことになったっていうところです。今、片桐さんにも作品を見ていただいてるんですけども。
片桐;おお〜、すっごい色が綺麗ですねえ。
朴:はい。ぜひ、簡単に片桐さんにご説明してもらってもいいですか?
片桐:そうですね〜、横長の。まず、これは紙ですか?書いてあるものは。
朴:何に見えますかね?
片桐:そうですねえ、ビリビリして破ってるんで、普通の画用紙とかじゃないですよね?
朴:そうなんです。これ、実は、「米袋」なんです。
片桐:くっ、ええ(笑)。これ、「米袋」を開いたものなんですね。結構、雑に開きましたねえ、手で破って開いたような。
朴:端がビリビリビリとなっていますが、中央に袋の境目があってね。
片桐:同心にに丸がバーって広がってるみたいな構図なんですけど、ちょっとこう、仏教のマンダラのような、いろんな色でこう。なんていうか、車輪みたいなもので丸の中に細かい丸がいっぱいあって、それが何重もの丸になってるっていう作品なんですけど。まあ〜、細かい細かい。これでタイトルが「ヒョウカ」ってのは、またびっくりしますけど。
朴:そうなんですよ。その作品のタイトルとはちょっと反して、と言いますか。この作品自体にもしっかりコンセプトがあって、、丸っていうのが、満月の夜に珊瑚の産卵をテーマにしながら、米袋に満点の星空だったり、宇宙っていうものが描かれている。
片桐:へええ〜〜〜。
朴:この丸っていうのが、魂だったり、細胞を連想させているという。
片桐:ほう、なんか、わかりますね。産卵って感じですね。へえ〜。
朴:はい、そうなんですよ。で、この米袋の凹凸感がなんでしょうね、奥行きだったりとか、あとは温かさとか、自然な質感がありますよね。
片桐:もともとお米が入ってた、このシワみたいなのも生かしてるという。
朴:そうですね。実際に見ていただくと、サイズもものすごく大きいですよね。
片桐:はい、大きいですよねえ。
朴: 私はなんかこれ見た時に、ちょっと、なんだか、生命と科学の融合?こう、細胞分裂を繰り返して大きくなっていってるイメージなんですけど。片桐さん、マンダラ以外にありますか?新たな(イメージが)。
片桐:そうですね、植物じゃないですか。お米の袋ってのは。植物とこの生物みたいなものの生きるエネルギーみたいなのものが沸々と。営みとして(感じられます)。
これは、1日でワーッとライブペンディングで書いたものではないじゃないですか。 少しずつ、少しずつ、たぶん丸とこの車輪みたいなものを書き続けていった先に、これが生まれてくると。
ある程度は意図してるとは思うんですよね。この丸が大きくなっていってるんで。
なんだろう、その「ヒョウカ」ってタイトルからどうしても入っちゃいますけど、見て、どう感じるか、ですよね。見た方が。静かななかにエネルギーがあって、湧き出してる感じというかね。 色もね、紫とかありとあらゆる色が入ってる。
朴:グランプリにふさわしい作品ですよね、とても素敵な。
片桐;そうですね。だって、1メートル64センチもありますよ、横幅が。
朴:大きいですよね。米袋って、そんなに大きかったかなっていう。
片桐:はいはい、もう30キロとかありますよね、これだと。
朴:はい、そうですね(笑)。
片桐:すごいですねえ。でも、ポスカで描かれているんですよね。
朴:はい、ポスカで描かれてました。
片桐:だから、色数はそんなないはずなんですけどね、ポスカなんでね、色数決まってますよね。
朴:規則性のある色遣いといいますか。端もちょっと、こう。袋がめくれている部分までも描かれているんですよね。
片桐:そうそう。その内側にも描かれてます。
朴:そこにもこだわりを感じますよね。
片桐:普通の画用紙じゃない感じがいいんでしょうね。やっぱり普通の真っ白な画用紙に描くってなかなかね。最初は、結構緊張するんですよね。
朴:たしかに。いや、この凹凸さのザラッと感が、手触り感みたいなものも感じます。あと、米袋って日本特有というか。日本から世界にこの作品の作家さんの素晴らしさを伝えていく上ですごくキャッチーなポイントなのかなとも思います。
片桐:端がめくれてることによる、ただの平面じゃない感じがいいですよね。
朴:素敵です。本当に。
改めて、「ヒョウカ」を描かれた浅野春香さん。グランプリ、おめでとうございます。
片桐:おめでとうございます!
・企業賞 東京建物 │ Blillia賞 内山.K《赤と青の世界の地図》
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内山.K《赤と青の世界の地図》
朴:では、続きまして「HERALBONY Art Prize 2024」の企業賞のご説明をしていきたいと思うんですけれども。企業賞というのは、今回のプライズに共感してくださった協賛企業の各社様が選んだ作品になります。
片桐:なるほど。はい。
朴:で、この作品は、 選んだ企業の新しいプロダクトであったり、サービスだったりにアートが起用されて、世界に発露していくということなんです。作家さんのアートをたくさんの方に広めていただくというところを一緒に共に盛り上げていきます。
片桐:コラボするってことなんですね。企業さんと。
朴:そうです。なので、どんなものに起用されるのかなっていうところも、ぜひ皆さまも想像しながら解説を聞いていただけるといいかなと思います。
ではまず、「東京建物|Brillia賞」を受賞した作品です。作品タイトルが「赤と青の世界の地図」。作家さんは、内山.Kさんです。
片桐:大きいですね。これもね。
朴:大きいですよね。
片桐:青と赤で書いてますけど、タイトルはなんでしたっけ。「赤と青の世界の地図」。 この人にとっての世界なんでしょうね、内山.Kさんにとっての。
朴:内山.Kさんは、100種類以上の0.5ミリのペンを使って作品を描かれる作家さんです。 この地図シリーズというようなシリーズで絵を描かれるんですけども、なんとペンにラメペンが使われてたりして、キラキラとちょっと輝いてるんです。
片桐:へえ、JKが使うものとして思っていました。一時期ね、黒い紙にラメで描くのが流行りましたけどね。ええ。それで描かれてるんですか?
朴:です。ちょっとこう、乙女チックな、ロマンチックなイメージもこのラメペンから彷彿させるんですけども。浅野さんの作品のテーマと少し近しくて、まるで細胞が増殖するように、生き物だったり、数字だったり、時には鬼だったりをモチーフに書き重ねていらっしゃるんですね。
片桐:数字とかも描いてあるんですか?
朴:数字がですね、これ、本当に細かくて。
片桐:うわあ〜!なんですかね、このハートとスペードみたいな。なんですかね、これ?
朴:そうなんですよね、内山.Kさん、ハートのモチーフも絵に描かれたりするんですけれども、 ほんとにとにかく細かい作品で。青と赤の色のコントラストがすごく美しいなと思うんですけれども。
片桐:先ほどと比べると、なんかうごめいているというか。さっきのは静的で(こちらは)動的というか。平面の画なんだけど、今にも動き出しそうな。現時点でもう増殖し続けてるようにね。
朴:たしかに。これ、ブワッと広がっていくようなイメージができますよね。
片桐:気のうねりみたいなものを感じますね。
朴:ああ〜。私もこれを見た時に、なんだか海にいる赤い生物が無数に動いているような。海なのかな?と思ったんですけど、何を見て想像したのかは、内山さんの頭のなかでしか・・・。
片桐:まあ、見えるものではないですよね。ボールペンで書いてる気持ちよさみたいなものが、どんどん、どんどん、こう、発展していっているというかね。
朴:たしかに、ちょっと滑らかさも感じますよね。
片桐:だから、この会社のこのボールペンってのはあるでしょうね、我々は文字書く時に書きやすいとかあるんですけど。でもたぶん、この色味とか、滑らかさとかも関係してきて。それで(もしかしたら)この描くもののサイズも変わってくるかもしれないですよね。
朴:そうですよね。あまりの緻密さに思わず息が漏れてしまいそうになるなと思うんですけど。「東京建物|Brillia賞」のコメントにもあったんですけれども、 マンションブランド「Brillia」の理念である洗練と安心というところがこのアートとすごく親和性があると感じているとおっしゃられていました。
片桐:へえ〜、内山さん(の作品)、エントランスとかタペストリーとかだったらよくないですか?もしくは、下に敷かれたこ絨毯とか。テキスタイルとの相性は抜群だと思います。
朴:わあ。包まれていたいですね、その空間に。ぜひ、東京建物さんもこちら聞いてくださってると思うので、ぜひ(笑)。
片桐:なんでもいけると思いますよ。タイルにしてもいいし。
朴:うわあ、素敵ですね。やられた。
片桐:ハマるかもしれないですねえ。
朴:これはどこを切り取っても素敵なので。ぜひどんなものに使われるのかな、起用されるのかなっていう想像を膨らませながら見てもらってもいいのかなと思います。ありがとうございます。
・企業賞 sangetsu賞 大家 美咲《お城》
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大家 美咲《お城》
朴:続いての作品です。「sangetsu賞」に選ばれた作品で、作品タイトルは「お城」。大家美咲さんという作家さんが描かれた作品です。
片桐:この細い線を先に書いていって、色を塗ってる感じなんですか?
朴:そうですね、まさに、制作過程の動画を見たことがあるんですけれども、色鉛筆を短く削って、短い状態で塗ったりされている作家さんなんですね。
片桐:力強く塗りつぶしてます。言われないと、色鉛筆とはわからないくらいの濃さがありますね、へえ〜。
朴:そうですね、なんだかクレヨンぐらいの濃さがあるなと思えますね。大家さんはですね、 アニメがとても大好きで、DVDだったりCDだったりっていうところから、こ好きなものを連想されて「お城」を描かれているんですね。よく女児向けアニメの塗り絵ってあるじゃないですか。
片桐:ありますあります、はい。
朴: 塗り絵に登場したお城を元々イメージされていたということなんですけども。
片桐:だから、この枠の中をきれいに塗りつぶしてるんですね。
朴:そうなんです。で、アニメに登場する主人公の3人のキャラクターカラーであるピンク、黄色、水色を作品に反映させているということでした。
片桐:へえ〜、ピンク、黄色、水色以外にもね、結構オレンジとかありますね。
朴:ブルーもありますよね。このカラフルですごく楽しくなるようなイメージだなと思うんですけど、片桐さん、この作品を「お城」ってどこのお城だとか、お城のどの部分だとかって(イメージは湧きますか)?
片桐:そうですよね、別に天守閣に書いてるわけじゃないですし、日本のお城なのか外国のお城なのかわからないけど、この、なんか石垣であったりとか、山があるような、なんていうんですかね、雄大な風景な感じはしますよね。
朴:言われてみるとそうですね。
片桐:あとは地層みたいな感じとかね。
朴: 複雑な、なんかこう、どことなく設計図のようにも見てとれるなあと。
片桐:そうですね。
朴:やっぱりお城って、アニメのキャラクターで言うと、ヒーローだったり、お姫様の舞台としてもよく登場するじゃないですか。そこにアニメ好きな大家さんの、こう、なんでしょうね、もう好きがすごく詰まってるなというのを感じますね。
片桐:はい、すごく可愛らしくてね。
朴:こちらが、サンゲツさん(の賞)なんですけど、インテリアだったり内装だったり。ちょっとまだ何に使われるかは決まっていないのですが。
片桐:これもカーテンいけますよね。
朴:空間作りに携わるサンゲツさんが、この作品をどうお料理していくのかすごく楽しみですね。
片桐:全部を使うのか、部分でも変わってきますしね、どこを切り取るのかでも印象は変わるでしょうね。結構、その激しいところは激しい(作品)ですから。
朴:激しいですね。素敵です。
・企業賞 JR東日本賞 岩瀬 俊一《インドネシアの影絵》
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岩瀬 俊一《インドネシアの影絵》
朴: はい、続きまして。「JR東日本賞」を受賞した岩瀬俊一さんという作家さんが書いた「インドネシアの影絵」。
片桐:影絵って感じ、わかります。はい。これは黒い紙に書いてますよね。
朴:そうですね。すごく黒が基調なんですけど、カラフルですね。
片桐:インドネシアの影絵のね、ほら、動物とか、有名なやつ、バリ島のやつがありますよね。
朴:たしかによくお土産屋さんとかでも見かけるかもしれないですね。この作品も、よく見ると動物がいますね。なんでしょう。
片桐:4本足のところとか、うさぎみたいなのとか。
朴:サイとか。いろんな。
片桐:模様ばっかり見てると、なんだかわかんなくなっちゃう、模様に取り込まれていきますけど。
朴:そうですね、寄りで見ると、すごく模様が力強く放たれてるなって思うんですよ。引きで見ると、動物がたくさんいてっていうような。岩瀬さんはですね、モチーフが決まると、彼独自の視点で余白を余すことなく、紙面すべてにゆっくりと描き込んでいくんですね。
片桐:皆さん、みっちりと描いてますね。今んとこ4人ともね。
朴: そうですね、皆さん、ちょっと近しい特徴、手法だなと思うんですけども。岩瀬さんにはちょっと内向的な性格があるということで、そういったところが描く線のひとつひとつに、表れているような感じですね。
片桐:でも緻密だし、なんかこう、ひとつひとつに何かがあるんでしょうね、ストーリーというか。
朴: そうですね、色使いも素敵で、パステルカラーもあれば、ちょっと濃いところも。
片桐:下の黒を活かした鮮やかすぎない感じというか。あと、この白の線ですよね、面白いのはね。糸玉みたいなものも、ありますね。
朴: 可愛いですよね。突然、糸玉があります。
片桐:ですよね、これ、なんでこういう線になったんだろうと。ギザギザギザって線もありますしね。なんか、電話中に落書きをするじゃないですか。
朴:わかります。はい。
片桐:僕、あれって無意識の集合だと思うんですよ。あと、ラジオの本番中に書いてる。どうでもいい落書きね。 なんかあれって、こういう方の世界に繋がれるんじゃないかって思うんだけど、やっぱりああいうのは何かの余白だからいいんですけど、あれを一面フルで(紙に)描けないですよね。
朴:いやあ、集中力がいりますよね。
片桐:そう、続かないですよ。集中力。途中でやめちゃうんですよね。
朴:たしかにもう細かい。端までありますからね。ちょっと、私これ見て1番最初に思ったのが、 岡本太郎さんを感じたんですよ。この、明るいのと暗いのとの対立だったり、線と面を駆使した感じ。
片桐:方向性みたいな、すごいあるんですよね、エネルギー。
朴: ありますよね、ちょっと右の方がやや縦になっていて、すごく構図も面白い。
片桐:これ、真ん中の下の、ぐるぐるは横の力が働いてるみたいな。
朴:ね。その時、そこに引っ張られて、引っ張られた感情に、ただ従うまままにというか、なんでしょうね。そんな感情をすごく感じるなと思うんですけど。岡本太郎さんで言うと「芸術は爆発だ」みたいなとても有名な言葉を残されたと思うんですけど、岩瀬さんは、どんな名言ををこのアートに残すのかな?っていうのをちょっと妄想しちゃいます。
こちらは、東日本旅客鉄道株式会社、JR東日本さんが選ばれて、すごくコメントも面白かったので、ご紹介させていただくと、「たくさんのお客様の日常の一部である鉄道を運営する主体として、いいことがあった日も、落ち込んだ日でも、どんな時でも変わらず眺められる絵を選考のコンセプトにさせていただきました。」という。落ち込んだ日でも、という負の感情があっても、このアートを見ることでポジティブな気持ちになれるというのです。
片桐:確かにそうですね。決してぱっと明るい絵じゃないんですけど、なんか落ち込んだ時に見るとなんかちょっと気持ちが安らぐかもしれないですね。
朴: いろんな感情が乗ってるっていうような解釈はなんか結構近しい、共通の解釈です。
片桐:さっき言った糸玉が路線図に見えてきますね。
朴: 確かにこれ、なんかいろんな電車がここの上を走るのかなと思うと走らせたいですね。これ。線路にして。
片桐:平行して走りすぎでしょ(笑)。これ、都市計画めちゃくちゃでしょ(笑)。
朴:未来の(笑)。もしかすると未来の街で走ってるかもしれませんよ。はい、素敵でした。
片桐:「インドネシアの影絵」ってタイトルがまたロマンチックですね。
朴: はい。素敵でした。ロマンチックでしたね。
・企業賞 JINS賞 カミジョウミカ《夢の中カラフル脳みそ》
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カミジョウミカ《夢の中カラフル脳みそ》
朴:では続きまして、メガネの「JINS賞」を受賞した作品です。タイトルが「夢の中カラフル脳みそ」です。
片桐:カラフル脳みそ!いいですね!
朴: カミジョウミカさんという作家さんが描いた作品になります。そう。すごい。
片桐:でもこれ、なんかグラフィティとして、なんか壁とかに書いてある落書きとかだったらいいですよね。なんかね。
朴:ちょっとキースヘリングのようなイメージも湧きますね。
片桐:マヤ文明とか、そういう古代文明っぽい感じもありますね。
朴:そうですね。細かいですね。 カミジョウさんはですね、これは何で書いているかというと、水性ペンという油性ペンを使って(描いてます)
片桐:水性ペンと油性ペン!
朴: はい、それでケント紙に描いてるということですね。こう、眠るときに見た夢だったり、空想の世界をテーマにしているというとこで、「生きることは描くこと、描くことは生きること」を信念に、世界中の人々に作品を見てもらうことがカミジョウさんの夢であるということでした。
片桐:これきっかけに見てもらう人増えるでしょうからね。
朴:そうですね。タイトルいいですよね。カラフル脳みそ!
片桐:いいですね、カラフル脳みそ!言っちゃえば皆さんカラフル脳みそですからね、今のところね。
朴: そうですよね。みんなこんなにカラフルだったら楽しいですね。
片桐:いいな。なんか区画が分かれて、ちょっと街みたいなね。
朴:そう、確かに。
片桐:うん、細胞的でもあるし、こう、脳みそ的でもあるんですけど。
朴: あとなんかちょっと人っぽい感じの形があったり。
片桐:そうですね、なんか顔っぽく見えたり、なんかどうしても丸いと目に見えて、これ買おうかなとかって思ったりとかね。
朴: アルファベットだったり。なんか夢の中、カミジョウさんが見た夢のイメージということなんですけどね。片桐さんってまだ夢見られます。
片桐:忘れちゃいますね。
朴: すぐ忘れちゃいますか。
片桐:子供とか妻にこう、夢を見たって話されますね。
朴: でも、こう鮮明に覚えてるからこそ描けるっていうのもまたすごく面白い。
片桐:だから、その現実と夢の狭間みたいなところで、絵にすることもなんか考えてるから、この人にしか見れない世界がありそうです。超感覚というか。
朴: 私たちが想像以上にカミジョウさんはその夢の中で解放されて、思考だったり感情がこう自由に表現できる世界。なんかこう、 上条さんがこの夢の中、カラフル脳みその中をさらに潜ってる感じ・・・。
片桐:これ、ものすごい、こう、平面ですけど、その裏にもっと奥行きがあるような感じがしますよね。もっと立体的な世界がありそうです。
朴:見てみたいですね。全く違った、もしかしたら色合いも。
片桐:だから、今、横から見ると水平だけど、実は立体的にものすごい高さがあるものかもしれないし、深さがあるかもしれないしね。
朴:面白いですね。もうちょっとカミジョウさんにも、いつか、どこのシーンを切り取ったのかっていうのを、もう少し 詳細を聞いてみたくなるような作品でした。はい。メガネのJINSさんの賞ということで・・・
片桐:この柄のメガネ、いいですよね。
朴: いいですよね!(JINSさんから)コメントをいただいてるんですけれども、「カミジョウさんが生きている証として実感されている夢の世界が表現されている」っていうところと、 あとは、この「描くことは生きること」という、難病を抱えながらも人生を豊かにしようとするカミジョウさんの生き方が、JINSの企業ビジョンとも重なる部分があります、ということでした。
片桐:なかでも、見てるこっちの気持ちも豊かにしてくれますね。
朴:そうですね。私、メガネケースとか。
片桐:ああ、いいですね。
朴:メガネを拭くメガネ拭きとかも可愛らしいと思います。
片桐:いいですね、このままいけますね。
朴:と、ちょっと妄想してしまいました。
・企業賞 丸井グループ賞 Fran Duncan/フラン・ダンカン《Blue Marble》
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Fran Duncan/フラン・ダンカン《Blue Marble》
朴:続きまして丸井グループ賞を受賞したFran Duncan(フラン・ダンカン)さんの作品で、「Blue Marble」という作品になります。
片桐:外国の方ですね。
朴:はい。イギリスの作家さんが今回受賞されています。
片桐:これ、綺麗ですね。なんか染料とかですか。
朴:そうなんです。ちょっと今までの作品とは風合いが異なるんですけども、アルコールインクとユポ紙を使っているので、ユポ紙の上に自由に動かして・・・インクを。
片桐:インク垂らしてにじませて、みたいな感じ。
朴:ね、垂らして、にじませてるんじゃないですかね。
片桐:境界線みたいなところが、なんかこう、手で書いた線なのか、なんかね、なんかステンドグラスみたい。
朴:そうですね、すごく素敵です。ブルーを基調に。「Blue Marble」という作品なだけに、いろんなこう、ブルーの色が使われているんですけども、 年齢や身体的制約にこう関係のなく、自由と解放を見いだしたいというところでアルコールインクを使っている。つまり、その未知を受け入れて、予期しない美しさを、このインクで表現している。
片桐:だから、ペンで描くとかじゃないんですね。
朴:そうですね、ペンではなくですね。
片桐:これ、どうやって描いてるんでしょうね。
朴:見てみたいですよね、そのプロセスを。
片桐:たぶん、紙を1回濡らして。水張りしたやつに濡らしてにじませたところから、いろんなこう、方向性が見えてくるんですね。なんか、右上から左下に、こう、線で流れがあるけど、左上から右下にかけても、こう、バツじゃないけど、こう、クロスした線がありますよね。それらがこう、いい感じに調和してるというかね。
朴:そうですね、地球全体の、青い美しい感じも見てとれるんですけども、ちょっと色が、インクが、踊っているような。まるでダンスをしているような感じもあって、フラン・ダンカンさんだからこそ、生み出せる表現の先にある作品なのかな。という気がしますね。
片桐:綺麗ですね、これ。この域まで達するという、結構僕はこの方、達人だと思うんですよ。 やっぱり自分の中でこれって止め時、難しいと思うんですよ。うんうん。やっぱ絵で描いてったら、描ききれなくなったらある種終わりなんですけど、これもうあと何滴か垂らしたら多いtoo muchになるかもしれないところをここでたぶん止めてると思うんですよね。
朴:そうですね。これ、黒も使われてますね。黒なんてもう入れすぎたらちょっと間違えたり濁ってしまいますからね。この絶妙なさじ加減と止めどき。
片桐:紫みとちょっと緑っぽい感じとかも、すっごくね、繊細な作業だと思うんですよね。順番とかね。そうするともう、熟練の職人みたいな考え方になってきますよね。
朴:だからこそ、コントロールしない、しすぎない。予測不可能な驚きを大切にする姿勢っていうのは、職人だから見出せる。
片桐:実際、墨絵なんかもね、うん、最初に墨絵が自然に流れたのを見て、それで絵描いたりするんですよ。 この前聞いたんですけど、その方に。だからその偶然性ってやっぱ絵にとってすごく大事なことで、なんかそこをどのぐらい意識してんだろうなとかね。
朴:ちょっと聞いてみたいですね、このあたりも。こちらのですね、「Blue Marble」の作品は丸井グループ賞の受賞作品なんですけれども、丸井グループさんからはですね、「この作品、透明感があり、明るい気持ちになりました。美しい未来の地球を連想させる今にも動き出しそう」って いうところでコメントいただいてるんですが、なんともうすでに起用のイメージが決まりつつありまして・・・。
片桐:これ、どうなるんですか?
朴:確定ではないんですけれども、実は、ヘラルボニーですね、丸井グループと一緒にヘラルボニーカードというカードを作っていて。
片桐:なるほど。クレジットカード。
朴: そうです、クレジットカードの券面にヘラルボニーの契約作家さんのアートを起用させていただいています。
片桐:これ、綺麗ですね。
朴:綺麗ですよね。普通に。カードになったら。
片桐:今までいくつもやられてるんですね。
朴:はい。使うたびに社会が前進するカードということで、利用額の一部が作家さんに還元される仕組みになっているんですけども、次の起用のタイミングで、この「Blue Marble」の作品が(起用される予定です)。
片桐:ちょっと他の(作品)も見たいですね、ダンカンさんね。
朴:見たいですね。シリーズ化したらすごく素敵ですね。
片桐:素敵ですね。
朴:いや、ほんと、なんかそういった、作品を鑑賞する楽しみもあれば、何かでこう、常に持ち歩いて使う、というような楽しみも今後あるかもしれないと思うとですね、非常にアートを楽しむ可能性が広がるかなと。
片桐:そうですね、身近になりますよね。
・企業賞 JAL賞 水上 詩楽《タイトル不明》
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水上 詩楽《タイトル不明》
朴:続きまして、JAL賞を受賞した作品です。はい。こちらは水上詩楽さんという方が描いた作品で、作品タイトルは、「タイトル不明」。
片桐:これ、でも、すごいプロのグラフィックアートみたいにも見えますけどね。
朴:うん、素敵ですよね。なんかほんとに、街で、ファッションのTシャツとかにデザインされていたりとか、それこそ、キャンバスタオルとかになってたり(というのが想像できるというか)。かっこいいですよね。
片桐:カラフルな、まずオレンジと黄色と水色の線が見えてくる。ドットのね、いろんな色のやつが。これは普通に筆で、点でやってるんですかね。
朴:こちらはですね、絵の具って描いてるんですけども、その扇型の形がこう…
片桐:上と下にあって…
朴: その中に点があるじゃないですか。ちょっとここで、片桐さんにクイズなんですけど、この点は一体何で描かれているでしょうか?実は私、詩楽さんはお会いしたことがあるので、実際に見たことがあるんですよ。
片桐:この扇形(を描いているのは)筆の感じですよね。点でしょう…?普通の筆じゃないってことですよね。
朴: そうですね。
片桐:だから、なんかちょっと垂れた感じ。ぽたぽたっと垂れて、作ってこんな風になるのか。だから油性ペンがじわってこう、にじむような感じだけど・・・。この感じは顔料の絵の具だからガッシュ(不透明水彩絵具)だと思うので・・・スポイトとか?
朴:スポイト、惜しいです!正解は、作業部屋にあった溝引き棒ってもので描いているんですね。溝引き棒っていうのが、先端が細く丸くなって、溝だったり線を書くため に使われているので、結構土木工事だったり、ガーデニングでも使われたりするけど。それにこう、インクを。
片桐:だからそこに点をつけてて、1回、1回こうする。・・・なるほど!
朴: はい。私も最初スタンプなのかなと思ったんですけども。でもよく見ると、なんかちょっと大きさが違かったり、にじんでたりとかするっていうのが、すごく面白い。
片桐:3列なんですね。
朴:そうですね、3列は特徴的ですね。
片桐:それが、リズム感が出てて。なんか、人間の営みにも見えるし、とにかくグラフィックとして見事ですよね。
朴: かっこいいですよね。 詩楽さんは、規則正しく、同じ動作をゆっくりと繰り返し描かれる作家さんですね。
片桐:じゃ、結構ゆっくりなんですね、この、点を入れるのもね。
朴:こう、気分のバロメーターのように、その時の気持ちが、線だったり、点になってるっていうところで。今回、JAL賞を受賞ということなんですけども、JAL様のコメントですね。「多様性と自由な発想を感じる。」詩楽さんの「タイトル不明」っていうところなんですね。「人々が集い繋がる様子を象徴していて、自由に様々な個性が混じり合いながら、扇型なので羽ばたく姿を描いているようだ」というコメントいただいてます。
片桐:夏ですから、空港とかね、うん、いっぱい並んでますからね。
朴: 並んでますね。ちょっと涼しげな感じもありますし、明るい色でパキッと。今 私が聞いた話では、機内で使われる紙コップのデザインになったりとか。
片桐:即使えそうですね。ランチョンマットみたいなものなど。
朴: うん、持って帰りたいですね。空の上で、詩楽さんの作品、感じていただけるって、すごく夢のある。
片桐:なんか、こう、現実を離れて、ちょっと旅行行く時とかね。いいですね。
・企業賞 トヨタ自動車賞 澁田 大輔《クジラの群れ》
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澁田 大輔《クジラの群れ》
朴:では、続きまして。「トヨタ自動車賞」を受賞した作品、「クジラの群れ」。澁田大輔さんの作品です。
片桐:クジラが、いろんな色のクジラがいっぱいいますね。
朴: いますね。何頭いるんでしょうね。
片桐:この丸いのは、目ですか?ちっちゃい丸みたいな。
朴:あ、目がありました!
片桐:数えていけば、多分、その、それがクジラの数になるのかな、これ。どこまでがそのクジラの境目なんだろうみたいな子もいますしね。
朴:こう、重なり合ってますもんね。なんかざっと30頭ぐらい、もしかしたらいるんじゃないかなって。ぜひちょっと皆さん、数を数えてもらって楽しんでもらえたらと思うんですけど。
片桐:下顎のこの色味が変わりますからね、上とね。ザトウクジラみたいな線がね、入ってますよね。
朴:もしかしたら、ほんとにこういうクジラいるかもしれないですよね。ですよね。私たちがまだ出会ってないだけで。
片桐:クジラって言うと、やっぱね、紺とか、グレーみたいなイメージありますけど。
朴: そうですね、そんなイメージを、私たちの固定概念を覆すような、すごく素晴らしい色彩の。
片桐:この満ち満ちのクジラが、また海のうねりみたいになってますよね。
朴:ね、たしかに。空を飛んでいるのかもしれないですしね。
片桐:そうですね。
朴: どこにいるのかは、ちょっと澁田さんだけが知っているというところで。
片桐:これ、色鉛筆なんですね。
朴: はい、画用紙に。
片桐:綺麗ですね。
朴:色鉛筆で描かれてます。
片桐:色鉛筆ってぎゅうぎゅう書かないと、こんな色出ないですからね。
朴: 確かに。もう隙間なくですよね。これなんか塗り絵にして、なんかこう、自分だったらどんな色のクジラになるんだろうか。みたいなのもしてみたいぐらいですね。
片桐:これ線画になったら全然、印象が違うでしょうね。
朴:たしかに。
片桐:まずこれ、線を引いて塗っていってるのか、それとももう線引くそばから塗っていってるのか、どっちなんでしょうね。
朴: 気になりますね。
片桐:たぶん全部線引いてないのかもしれないな。線の色も違いますもんね。
朴:そうですね。
片桐:赤だったり茶色だったり青だったりしますんで。
朴:いろんな色が使われてますね。ただ、この色に合わせて線の色も変えてたりとかするっていうとこ、すごいこだわりまで見て取れますね。
片桐:だから、一頭一頭、クジラを描いていってるんでしょうね。
朴: 澁田さんはですね、元々陸海空に生息する様々な種類の動物たちを描くのがすごくお好きというところで、 クジラの群れがすごく心地よい調和を生み出してるなと思います。
片桐:いや、これ綺麗ですよね。色数多いと難しいんですよ。ほんとに4色5色あたりでだいたいパニックになります。はい。
朴:片桐さんだったらなんかどこから描き始めたりします?もしこのクジラを同じように描くんだとしたら。
片桐:なんとなく左下あたりから描くのかな。右利きだったとしたら。
朴:ああ〜、はいはい。
片桐:どっからでも描き始められるのかもしれないです。
朴:でも多いのは、もしかしたらそうかもしれないですよね。左下からこう描いて。
片桐:普通はねやっぱり美術教育を受けると、全体の構図を考えてこういうバランスでとかっていうのを理詰めで、西洋美術を教えられますんでね、受験とかでね。やっぱそっから逃れられないっていうのはコンプレックスとしてあるんですよね。
で、そんなの関係ないじゃんつって始めて、ここで完成したら、もう別にそんなのどうでもいいじゃないですか。バランスいいわけですよね。そこの独特のリズム感があったりとか、やっぱ見る人によって感想違ったりとかっていう。
1番素晴らしい形にできてるわけなんで、どう描き始めるとか、どういう思いで描くとかっていうのは、作家さんが思うだけで、あとは自由なんですよね。本当は。
朴:解釈は自由ですよね。素晴らしいです。こちらはトヨタ自動車株式会社さんの賞を受賞したのですが…。
片桐:トヨタさんどうするんだ。
朴:このコメントの中には、「私たちがテーマとして取り組んでいる幸せの量産へのヒントを内包しているようにも捉えられました。」というところで、車にラッピングされたらいいですね。
片桐:行きたいとこに行ってますからね。ラッピングね。いいですね。
朴:街中をこう、当たり前に走っているその光景っていうのが。
片桐:これは車もいいけど、シートとかどうですか。
朴:シートも素敵ですね。
片桐:ボンネットのペイントであったり。シートも色々できますもんね。
朴:乗る人だけが知れる、なんか楽しみというか。
片桐:普通に白い車なのに、中のシート比べたらすごい可愛いですね。はい、素敵です。いいですね これ。トヨタさんとどういうコラボレーションするんでしょうね。
朴: 楽しみです。皆さんもぜひ楽しみにしててください。
・審査員特別賞(黒澤浩美) isousin《落書き写真(タイル状の壁)》
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isousin《落書き写真(タイル状の壁)》
朴: 続きまして、審査員特別賞受賞作品のご紹介です。
片桐:特別賞っていい響きですね。
朴: いいですよね。スペシャルですよね。
片桐:ある種グランプリよりもちょっといい感じしますよ(笑)。
朴: 実は、審査員特別賞はもともとなかったものなんです。
片桐:あら、そうだったんですか。やっぱり作品がいっぱい来たんでね。あまりにも賞少ないですもんね。企業賞7つとグランプリで8つしかないから?
朴: そうなんですよ。私もこの審査会に立ち会ったんですけれども、もうあまりにも素晴らしい作品が多いことから急遽新設されたんですよ、現場で。
片桐:いや、それだって4つだから計12しか賞ないわけじゃないですか。1900点(応募が)来てるんですよね?
朴: そうなんです。
片桐:もうそれ、大変でしたねえ・・・。
朴:審査会場のタイムリミットもあったので・・・。
片桐:そうですよね。
朴:運営メンバー的には少しこう、ハラハラする展開ではあったんですけど、もうそんなことよりも、やっぱりこう、受賞する作品が 増えれば増えるほど、やっぱり私たちとしてもとても嬉しい出来事なので、そこはしっかりと。
片桐:より多くの、たくさんの人に見てもらいたいですからね。
朴: 急遽、時間をかけて審査員の皆さまに審議をしていただきました。
その審査員4名の皆さまにつけていただいた賞をご紹介していきたいなと思います。
では、審査員特別賞はまず、金沢21世紀美術館チーフキュレーターでありながら、株式会社ヘラルボニーのアドバイザーを務めております黒澤浩美さんが選んだ作品となります。「落書き写真(タイル状の壁)」という作品タイトルです。
片桐:これ、版画ですか?
朴:作家さんの名前はisousinさん。これ、片桐さん。何に見えます?
片桐:なんだろう。絵の具をスタンプみたいにして、はい、押し付けたものに見えます。2023年4月26日って、日付も書いてありますよね。
朴:はい。ちょっとこの日付、どこかで見たことありませんか?
片桐:写真ですよね。でも今、写真って紙に焼かないし、焼いてもこれ出ないですよね。
朴:こちらなんですけれども、この方はですね、子供の頃から社会に対する不安だったり自己否定っていうのがすごくあって。ただ、写真と出会ってからは受け入れられるようになっていったっていう。
片桐:これ、写真ですか?
朴:そうなんです。ある日、日が暮れて誰もいなくなった公園の砂場で子供が描いたであろう落書きを見つけられたと。
片桐:これ、子供の落書きだったんですか!
朴:もともと落書きだったんですけども、おもむろにスマートフォンのカメラでその落書きを1枚の写真に収めて、 その作品をヒントに制作をしているんですね。なので、カメラと画像編集ソフトを使用して、 写真を抽象的なイメージへと昇華させているって。で、そこにまた別で撮影した地面だったり壁の写真を合成することで、不思議な造形を生み出しているというような。
片桐:めちゃくちゃ、プロ現代アーティストみたいなことを言ってますよね。
朴:でも、ほんとにもう現代アートの作品ですね、こちらは。
片桐:その子供の描いた落書きを見た日が4月26日ってことなんですかね。
朴: おそらくそうなんですかね・・・?この写真の記録の、日が残っているというのも。
片桐:懐かしいですね、この感じ。
朴: 懐かしいですね。懐かしいんですけども、普通のものをこう新しい視点で見るっていうところ、アートが生まれる出発地点をすごくまた考えさせられるなっていうような。
片桐:ただ、子供の落書きを写真撮るまではするんですよ。で、後で、なんなんだこれってなって、 誰にも見せずにひっそり消すのか、ただただフォルダーに残るのかっていうのから、 もう2転、3転するわけですよね。それこそアートだと思いますけどね。こういうのもあるんですね。
朴:そうなんです。私も初めて見た時に、これは何を捉えているんだろうかっていうのを、なんか想像を掻き立てられたんですけど。
片桐:今までと違うのは、余白があるってことですよね。壁面としてね。
朴:写真と言われたら写真ですし、なんかこう、絵の具で描いて影をつけてたりとかっていうのも見えますしね。
片桐:絵の具でやってはいるんですか?それとも、やってなくてソフト上でという感じですか
朴:はい、ソフト上でということでしたね。ほんとに現代アートというか、 アートの楽しいのはこういうことだなってすごく思うんですけど、やっぱその作家さんがどういうプロセスで何の手法を用いて書いたのかっていうのを知れることで、あ、きっとこの方はなんかこう、独特な見せ方なんだけど、実は日常にありふれたことをアートにしているみたいな。ほんとシンプルなことをすごく難しい工程の中で伝えていくというのか・・・。ああ、自分で言っててちょっと、すごく難しいのですが。
片桐:いやいや、なんでもない日常が実はなんでもなくないよっていうのを教えてくれるのが、アートの面白さだと僕は思うんですよね。それはもう演劇だったりしても、やっぱり美術館にアート見に行くときも、行きと帰りで、なんか、なんか違うって思える瞬間って必ずあると思うんですけど、それを実践されてるのかなって思いますけどね。
朴:素敵です。この作品は、実は他の作品と比べて、少し小さいサイズになるんですけれども。
片桐:逆に目立ちますよね。
朴:小さめの作品で、このサイズもなんかこの作品の 良さをすごく引き出しているという。このisousinさんの「落書き写真(タイル状の壁)」、 審査員特別賞受賞でした。
・審査員特別賞(クリスチャン・バースト) Susan Te Kahurangi King/スーザン・テカフランギ・キング《Untitled, Ref: A20113》
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Susan Te Kahurangi King/スーザン・テカフランギ・キング《Untitled, Ref: A20113》
朴:審査員特別賞。続きましては、フランス・パリにある世界的にも有名なアール・ブリュットのアートギャラリー、「Galerie Christian Berst」の創設者兼オーナーであるChristian Berst(クリスチャン・バースト)氏選出の作品です。 作品タイトルが「Untitled, Ref:A20113」という作品になります。
片桐:今まで一番わけわかんないです。でも、絵は絵ですね。これは赤で描いてあるんですね。
朴: 赤いペンで描かれていますね。
片桐:この方はもう画力が達者というか。すごくこう、美術教育を受けてきた感じの人の絵に見えますけどね。
朴:こちらの作家さん、Susan Te Kahurangi King(スーザン・テカフランギ・キング)さんなんですけども。美術教育は受けてこれなかったということです。
片桐:人がね、いろんな。坊主で、色んな大きさの顔の人がいて、その人たちがこう、なんか塊となってね。
朴:はい、面白いですよね。
片桐:なんか演劇的だね。
朴: たしかに。ご自身の思考だったり、感情だったり、なんかこう、恐れ、混乱みたいなものを表現されている。
片桐:これ、なんなんですか、この紙は、何の紙ですか。
朴:紙、これ、すごく面白いんですけども、この、ですね、スーザンさんのお父様が出版会社で働かれていたということで、お父様が持ち帰ったゲラの裏面に書かれた。
片桐:だから、横は直線なのに、上下がね、なんか破ったみたいになってるのは。
朴:すごく繊細な紙でしたね。
片桐:薄い紙..
朴:薄い紙でしたね。ここに下書きなしで、 ボールペンで描かれた。キャラクターも見えますね。
片桐:そう、なんかね、1個1個見ると、なんか独特の、なんかね、口開けたりしてるキャラクターがいたり、手がすごい大きい女の人みたいなのがいたり。
朴:スーザンさんは、ニュージーランドの作家さんなんですけど、日本では見ないキャラクターじゃないですか。
片桐:そうですね。これの漫画があんのかなとかね、思ったりとか。
朴:ファンタジー要素もありながら、ちょっとダークな世界観かな。
片桐:ちょっと怖い感じありますよね、悪魔的な。
朴:なんか複雑な画面構成。
片桐:そうですね。ただ、やっぱ、なんかちょっと、達人の域を感じるというか、なんか人気漫画家さんの絵みたいなね、そうですね。
朴:うん、なんか、赤っていうのも。
片桐:赤で、なんで描いたんでしょうね。そうなんですよ、赤な、赤一色なんですよね。ただ、こう、塗りつぶすところと白く抜くところの、このバランスがまたいいんですよね。
朴:あと、こう、丸い。
片桐:細かい丸がありますね、はい、模様が。
朴:丸で敷き詰められている模様もありますよね。一体どこから書いたんだろうかっていう。何を見て描いたんだろうか。
片桐:何を見て、どういうタイミングでね、どのぐらいの時間で、とかね。
朴:いや、でも、ちょっと神話的なものも感じますし。
片桐:はい。ニュージーランドですからね。なんか原点あるのかもしんないですね。
朴:ありそうですよね。こちらの作品もですね、少し小ぶりなサイズで。
片桐:A4とかですか?横幅で言ったら。
朴:そうですね、縦約40センチ。横が20センチぐらいの作品なんですけれど、他の作品に比べるとすごく小さい作品です。
片桐:他の作品は1mとかですもんね。
朴:はい。なので、よりちょっと細かスキルがすごく必要になってくるんじゃないかな。
片桐:いや、もうデザインのスキルがありますからね、すごいと思います。
朴:素敵です。
審査員特別賞(日比野克彦) S. Proski《Untitled》
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S. Proski《Untitled》
朴: 続いての作品、審査員特別賞。アーティストであり、東京芸術大学長の日比野克彦さんが選んだ作品になります。作品タイトルが、「Untitled」。作家さんのお名前がS.Proski(エス・プロスキー)さんというアメリカの作家さんになります。
片桐:あら、これダンボールですか。これ、日比野先生の作品じゃないんですね?
朴:日比野先生の作品ではないですね。こちら、Proskiさんの作品。
片桐:コラージュですね。
朴:はい、コラージュされています。
片桐:布みたいなのと、後ろに布みたいな切れ端みたいのありますもんね。
朴:糸、出てますね。よく見ると。
片桐:紙とダンボールとかですね。
朴:なんかステッチで縫われているような。
片桐:ほんとですね。じゃあ貼ってから縫ったりしたんですかね。
朴:そうですね。なんかこう、 キャンパスの切れ端を手作業で丁寧に縫い合わせたりとかもされているそうで。そう、おっしゃる通り、コラージュを使ってイメージを構築して、解体して、再構築して、というのを繰り返して。
片桐:なんかアップリケこうしてこうしてってやってる時の、この1番楽しいタイミングみたいなね
朴: はい。すごい素敵です。これまでの結構なんか細かく緻密な作品とは対照的で、ちょっと全体的な印象が、 シンプルな構図だなと思うんですけど、片桐さん、どうですか。
片桐:なんかこの、赤いソファーみたいなものがあって、そこで人がなんか喋ったりしてたりとか、なんかすごく うまいですよね。うん。
朴:色の使い方とか。
片桐:形のカーブの感じとか。
朴:足と手にも見えますよね。
片桐:そうそう、人に見えるというかね、なんかその、動きがすごくあって、で、この黒い線とかもすごく効いてて、これは マティスの作品じゃないですよね。なんかちょっと、ちょっと。
朴:そう言われてみると。
片桐:フォービズムというか。すごく急に堅苦しいことを僕言い始めましたけど。
朴: いやいや、でもまさに日比野さんも「こんな作品、私も作りたいと率直に思いました」とおっしゃっていて。
片桐:日比野さんの教え子ではないんですよね?
朴: はい、(教え子)ではないですね。 アメリカの作家さんになるので、どんなことをイメージして作られたのかっと思い、私もお家の中なのかなとか、ちょっと窓で、そう、夜なのかな・・・(と想像しました)。
片桐:はい、窓枠みたいに見えるし、すごく計算されて、無駄を省いて、なおかつこう、その時生まれたなんかライブ的な感じを乗ってて、 素晴らしいなと思っちゃうんですけどね。
朴:これがなんか計算されてたとしたら、すごいなっていう。計算されてるんでしょうけど。
片桐:計算されていらっしゃると思います。
朴:すごい、なんかその計算の、なんでしょうね、その出発点とゴール地点っていうのが、 想像がいい意味でできない、いろんな解釈がある。
片桐:引き算してんのかなとかって思いますしね。
朴:ですね。いや、すごく、もっともっと、このS.Proskiさんの頭の中を、なんかこう、探ってみたくなるような。
片桐:世界的なアーティスト作品に見えますね。
朴:素敵です。日野さんが選ばれた作品でした。
・審査員特別賞(盛岡笑奈) 鳥山シュウ《ウガンダ(黒)》
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鳥山シュウ《ウガンダ(黒)》
朴:では、続きまして、最後の特別審査員特別賞のご紹介になります。こちら、 LVMH メティエ ダール ジャパン ディレクターの盛岡笑奈さんの選ばれた作品になりますが、作品タイトルが「ウガンダ(黒)」。
朴:鳥山シュウさんという作家さんの作品です。これはウガンダを描かれてて。
片桐:はい、アフリカのね。はい、キリンとかいますよね。
朴:はい。こちらはですね、絵の具で描かれているということで、
片桐:黒い紙に描かれたんですか。
朴:でもこれ黒じゃない。
片桐:白い紙にこれ描いてるんですか。
朴:塗ってるのか、黒画用紙なのかですよね。ただ、すごく細かいですし、白いペンしか使ってないのに、こんなに多彩な表現ができるんだっていうのを、すごく感じますね。
片桐:ウガンダいかれたんですかね、シュウさんはね。
朴:あの、シュウさん、私、実はちょっと会ったことがあったんです。制作の過程も見たことがあるんですけども、 地図だったり旅行雑誌を見ながら、その、描いているんですよね。なので、実際の風景とご自身の想像をなんか繋ぎながら、こう書かれていて。
片桐:あ、ウガンダ行かれたわけじゃないんですね。
朴:そうですね。すごい細かいですね。
片桐:風景画ですよね。言ってみたらね。 風景画の中に人が埋もれてるというかね。
朴:キリン、ウガンダに生息する動物ですかね。
片桐:なんで白で黒地に白で描いたんですかね。山みたいなのがあってね。
朴: シュウさんの他の作品も見たことあるんですけども、黒だけではなくて。
片桐:ああ、他の色もあるんですね。
朴:そうなんですよ。緑をベースに描いてたものもあれば、赤がベースもあるんですよね。
片桐:赤に白で描いたりとか。この、だから空中みたいなところにね、馬車みたいなのがあったり、鳥がいたりね。
朴: はい、飛んでますね。車も飛んでいて。
片桐:なんかガイドブックに乗ってたんですからね、こういう、なんか馬車みたいなものが。
朴:もしかしたらそうかもしれないですね。空飛んでるっていうのがまたすごく素敵だなと思うんですけども。
片桐:立体系の部分と平面的な部分がね、渾然一体となって調和してるというかね。
朴:元々鳥山シュウさんは大好きなアニメだったりゲームキャラクターを模写することから絵を描く楽しみがあったっていうところで。
片桐:我々も一緒ですからね。
朴:一緒ですね、はい。で、動物だったり、風景だったり、怪物、モンスターの生き物が楽しく生活している街並みだったりを描くのが好きというところでして。
片桐:でも、その旅行ガイドみたいな見たりして、この車とかも結構細かく描かれてますよね。
朴:細かいですね〜。
片桐:なんか建物があったりとか。
朴:なんか気づいたら動物たちは左を向いてますね。
片桐:ほんとだ。なんでみんな左向いてんだろ。
朴: 向いてますね。なんか左に何か向かってあるのかな。太陽が出てたりとか。
片桐:左向きが圧倒的に右利きには描きやすいんですよね。
朴:そういうことですね。
片桐:わかんないです。あと魚の絵とか大体左向きですよ。
朴:先ほどのクジラもそうでしたね。左向きのクジラもいました。
片桐:あれは両方いましたね。
朴:ああ、すごいです。この盛岡さんのコメントの中に、「芸術は一種の旅」っていう、なんかこう、 「異次元を瞬時に訪れる力がこのアートにはある」みたいなお話をされてたんですけども、「芸術は一種の旅」っていう言葉が、鳥山シュウさんの作品に凝縮されてるなっていう風に思うんですけど。新しい視点だったり、感情だったりっていうのが、この旅の核心なのかな。
片桐:すごいなあ、これ。なんか、マーケットみたいなところに人がいっぱいいますね、います。左側の方とかね、 、人もすごく多いですね、よく見ると。
朴:多いですね。ウガンダの地元の人でしょうか。果物を取ってる人がいれば…
片桐:あと、売ってる人もいるし、そこで買ってると、バイク乗ってる人とか、見れば見るほど、そのビルがあったりとか、このパラソルの下でなんかやったりとか、 畑があったりとか、あともうね、その、ジャングルみたいなところがあるんですかね。
朴:すごいです。鳥山さんは滋賀県の出身の作家さんなんですけども、滋賀は甲賀市・伊賀市っていうのがあって、忍者の歴史が深い地域で。
片桐:そうですね、昔からね。
朴:忍者の国とも言われてるんですけど、鳥山さんが描く作品に、最近こう、忍者が隠れてたりとかして。
片桐:これもですか、ウガンダの忍者。
朴:これ、 私はまだ探せてないんですよ。忍者いない作品もあるので、ぜひ見つけられた方は教えていただきたいですね。いなかったならいなかったで、また別の作品で探すのも楽しみかななんて思うんですけども。そういった、こう、ユニークな一面もある作品なので子供から大人まで楽しんでいただける作品かなと思いますね。
片桐:子供、こういうの好きですね。楽しそうだな。
朴:あえて2色っていうのが、やっぱ。
片桐:ねえ、よくこの色で描けますよね。目がおかしくなるけどな。
朴:これ、2週間とかで描いてしまうらしいですよ、早くて。
片桐:ずっと描いてられんだろうな。はい。
・エンディング
朴:以上、審査員特別賞4作品のご紹介でした。はい。さあ、片桐さん、以上12作品、ご覧になっていかがでしたか。
片桐:これが1900点の中から選ばれた12点ですから。うん、そりゃすごいですよね。そうです
朴:展覧会会場にはこの12作品を含む62作品の展示がありますので、ぜひ。
今日ご紹介できなかった作品も合わせて、会場でゆっくりご鑑賞いただければと思っております。
片桐:ご家族で行っても面白いかもしれないですね。
朴:良いと思います。ちょうど夏休みの期間ですしね。
片桐:そうですね。お父さんお母さん行ったら、家族・お子さんとか連れてもう1回行ってもいいかもしれないですよね。
朴:ぜひまた1回目でも2回目でも、お好きなタイミングにこちらの音声コンテンツも楽しんでいただけたらと思います。
片桐:絵を描く、こう描きたいっていう気持ちの、なんか原点が凝縮されたような感じでしたね。
朴:本当に力強いパワーをいただきました。 ぜひ片桐さんにもですね、このエキシビション、楽しんでいただきたいと思います。本日はお忙しい中ありがとうございました。
片桐:こちらこそありがとうございました。
朴:「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」は、東京建物 │ Blillia、sangetsu、東日本旅客鉄道、 JINS、丸井グループ、日本航空、トヨタ自動車の皆さまにゴールドスポンサーとしてご協賛いただいております。 音声コンテンツをご視聴の皆様、最後までご視聴いただきありがとうございました。
朴:こちらの音声コンテンツは繰り返しお聞きいただくこともできますので、ぜひ作品をご覧になりながらご視聴ください。 作品をより深く楽しむことができると思います。では、この後も「HERALBONY Art Prize 2024 Exhibition」をお楽しみください。